COLUMN
このデザイン“なんか違う”の正体とは vol.1

【第1話】
「ちゃんとしているのに、なんか違う」その正体
あるクライアントさんから、こんなご相談がありました。
「イベントのキービジュアルが、どうしても決まらないんです。」
テーマは社会性が高く、背景も複雑。
想いも強い。伝えたいことも多い。
制作会社に依頼し、デザイン案はすでに複数上がっている。
クオリティも高い。整っている。破綻もない。
それでも、どうしても引っかかる。
「なんか違う気がする。」
でも、その“違う”が言語化できない、そんなお悩みでした。
イベント本番まで、残り2週間。
そこで、ベースデザインのヘルプ依頼がありました。
デザイナーとクリエイティブディレクターは、役割が違う
話を整理していく中で見えてきたのは、
デザインそのものが悪いわけではない、ということでした。
ここで重要なのが、
デザイナーとクリエイティブディレクターの違いです。
■ デザイナーの役割
・ビジュアルを設計する
・色、フォント、レイアウトを最適化する
・世界観を形にする
・クオリティを担保する
与えられたコンセプトや要件を、最適な形に落とす専門職。
■ クリエイティブディレクターの役割
・何を一番伝えるか決める
・何を削るか決める
・優先順位をつける
・コンセプトを一本に通す
・“らしさ”を言語化する
つまり、方向を決める人です。
このクライアントさんのケースでは、
方向が完全に整理されないまま制作が進んでいました。
結果、デザイナーは安全な選択をするしかない。
それは失敗ではありません。
前提条件が曖昧だから、無難になるのです。
発注時に確認すべきこと
ここで一つ、重要なポイントがあります。
その制作会社に、クリエイティブディレクターはいるのか?
デザイン会社の中には、
・デザイナーのみで構成されている会社
・ディレクターが在籍している会社
・戦略設計から入る会社
があります。
発注時に見るべきは、
・ヒアリングの深さ
・“一番伝えたいことは何ですか?”と聞いてくるか
・削る提案をしてくるか
・方向性を言語化してくれるか
デザイン案の見た目以上に、
上流の整理をしてくれる会社かどうかが重要です。
この整理がないまま進むと、
「なんか違う」が量産されます。
次回は、
なぜデザインが迷走するのかを、さらに深掘りします。